愛する弟を戦争で亡くし自らも中国に渡って戦争を体験した やなせたかし(1919~2013) 「正義のためだ」と教えられていた戦争が、戦後は一転して「侵略のための戦争だ」とされる中で、「正義はある日逆転する」ことを思い知らされます。そして「逆転しない真の正義はひもじい人にパンをさしだすことだ」という答えにたどりつきました。

 やなせは、一昨年に94歳で亡くなるまで、一貫して平和と正義を作品に託し「アンパンマン」などの名作を多数遺しました。

 本展では「アンパンマン」などの原画作品を通して、やなせの平和への強い思いをお伝えします。

アンパンマンとシャボンダマン
アンパンマンとシャボンダマン Ⓒやなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV  

 

【展示期間】
7月18日(土)~9月23日(水・祝)
9時~16時30分(入館は16時まで)  

【入館料】
大人800円(600)
中学生・高校生400円(300)
小学生200円(100)
未就学児 無料
障がい者手帳をお持ちの方は無料
 (  )内は団体料金20名以上  

 

アンパンマンとシャボンダマン
アンパンマンとシャボンダマン Ⓒやなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV

 

「アンパンマンとシャボンダマン」

 シャボンダマンが、アンパンマンと力をあわせてバイキンマンをやっつけます。 とってもかわいいりんごダンサーズも登場します。

 

やなせたかしさんの代表的絵本  「チリンのすず」

 オオカミに親を殺されたチリンが、カタキであるオオカミに鍛えられ、ついにカタキうちをします。

 最後のチリンの言葉に胸が熱くなります。

 

チリンのすず
チリンのすず Ⓒやなせたかし事務所         

 

☆親子で楽しめるイベントを予定しています。

やなせうさぎ ©やなせたかし
やなせうさぎ ©やなせたかし

 

【同時展示】 加納莞蕾 平和を求めた画家の思い

油彩『紫陽花』
油彩『紫陽花』 

 画家 加納莞蕾は、第2次世界大戦後フィリピンに戦犯として収容されていた旧日本人兵士を救うために力をつくしました。43通の手紙をキリノ大統領に送り、『日本は戦争を起こした罪を反省し、フィリピンは「ゆるしがたきをゆるす」ことで、世界平和の第一歩が踏み出せるのではないか』という思いを伝え続けました。

 大統領の決断により多くの日本人戦犯は日本に帰ることが出来ました。

 その後、莞蕾は世界中の子ども達の人権を守ろうと世界に訴え続けました。

 本展では、莞蕾の作品を作品を通して彼の生涯と思いをご紹介します。