藤原備前 土のかおり ~啓・雄の世界~

備前焼に新しい芸術感覚を盛り込み〝藤原備前〟を築いた啓・雄の作品を展示します。

平成22年後期
平成22年後期

 

藤原 啓 (ふじわら けい) 明治32年~昭和58年

昭和29年 岡山県重要無形文化財に指定される。
昭和45年 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
昭和47年 勲四等旭日章を受ける。  

藤原 啓 「扁壺」
藤原 啓 「扁壺」

文学や思想に情熱を燃やした後、傷つき疲れた心を癒す目的で備前焼を始める。
昭和14年に初窯を焚く。
その後めきめきと腕を上げ活躍を続ける。啓は、鎌倉や室町の壺・甕・擂鉢などの雑器に見られる素朴で力感あふれる美しさを求めた。そしてそれまでの備前には見られない、透しを入れたり、擂座を多用したりしたことが特徴である。

 

藤原 啓 「扁壺」
藤原 啓 「扁壺」 

藤原 雄 (ふじわら ゆう)   昭和7年~平成13年

昭和55年 岡山県重要無形文化財に指定される。
平成8年 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。

藤原 雄 「窯変鉢」
藤原 雄 「窯変鉢」

 

藤原 啓の長男。

明治大学を卒業後、23歳の時 父の助手として備前焼の修行を始める。3年後 には各陶芸展に入選し華々しいデビューを飾る。国際陶芸展でも大賞を受けたり、海外の大学・美術館等で備前焼の講義をしたりするなど備前焼の国際化に若くして取り組む。伝統を大切にしながら独自の創造になる部分を多く占め、現代陶芸と呼べるもので作品の傾向から 「壺の雄」 と呼ばれた。

 

藤原 雄 「擂座大壺」
藤原 雄 「擂座大壺」