写真1

 昭和22(1947)年、現在の出雲市出西(しゅっさい)に焼き物と無縁だった5人の青年が、生きる道を求めて陶芸の共同体をつくりました。「名声を求めず、無名の職人として生きていこう」と決めた彼らは、柳宗悦、河井寬次郎、浜田庄司、バーナード・リーチ、外村吉之介、吉田璋也らと出遇う中で、美術的な陶芸品ではなく、日常生活に用いられる実用品を作る道を求めるようになります。この間、山本空外から仏教哲学を学び、「無自性(おかげさま)」の教えを自分たちの理念とし、一切のはからいを捨てて生活陶器をつくり続けてきました。

 本展では、「百年デザイン」を目指して制作を続けて来た出西窯のエ人たちの大地に生きた70年を辿ります。作品を通して、よき師を求め続けた彼らの真実一路の旅に触れていただければ幸いです。

写真2

写真3